寂止と正観 ―― 脳波停止後の意識
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「ボーディサットヴァ・スートラ」(p.28)
第一部 脳波が明かす瞑想の全プロセス
第二章 ボーディサットヴァの偉大な力の背景にあるものは
◎寂止と正観 ―― 脳波停止後の意識
第一章において、わたしたちは、ヒナヤーナにおけるニルヴァーナと、そしてマハーヤーナの道が違うことを原理的に確認した。
これを脳波的に見るならば、ガンマ波・べータ波が中間速波に変わり、そしてアルファ波→シータ波→デルタ波となり、そして脳波がプレーンな状態となる。
つまり、熟考と吟味を完全に静止した無思考の状態が現われるのである。
しかし、このとき、完全に無思考になっているわけではない。
このとき働いている意識は二つに分離される。
それは「寂止」と「正観」である。
「寂止」とは、先程述べた完全な思考の止まっている状態であり、「正観」とは、そのとき現われるアストラルへ投影されるいろいろなエネルギーの色あるいはヴィジョンといったものを、正確に認識する、あるいは、対象から伝わる心の働きというものを正確に認識する状態を表わす。
では、なぜこの「寂止」と「正観」がわたしたちに大きな利益を与えるのだろうか。
それは、現象、この現象を正しくとらえるということは、いかなる道においても、すべての成功の、あるいはすべての達成の第一歩だからである。
つまり、対象の認識を、もし初めから誤っているとするならば、その結果はとうぜん、自分の思ったとおりにならないはずである。
しかし、もし、わたしたちが対象の認識を正確に理解することができるとするならば、わたしたちは確実に、対象に対するアプローチを間違いなく行ない、そして目的を達成することができるのである。
つまり、なぜ心を静め、無熟考にして無吟味、寂静の状態を得なければならないのかというと、それは現象をありのままに見つめる必要があるからである。
そして、この状態で、真理の法則にかなって正しく観察するとするならば、それはいかなる現象においても正しい結果というものを得ることができるであろう。
――そしてまさに、ボーディサットヴァの道とはこの道なのである。
(p.29)
ガンマ波 γ
↓
べータ波 β
↓
中間速波
↓
アルファ波 α
↓
シータ波 θ
↓
デルタ波 δ
↓
プレーン(平坦)
=熟考と吟味の静止
=→尊師の状態
図2-1 ニルヴァーナへ至る道
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